今回は臨床工学科3年次に必修科目で履修する「血液浄化療法装置学実習」を紹介します。
今年は新型コロナウイルスの感染予防のため、班を少人数に分けて実習を行っています。
この授業では血液透析装置などの血液浄化療法に関わる医療機器に実際に触れながら、関連機器の原理、構造、仕様、操作方法、保守管理方法について学習します。また、臨床における患者対応や治療の流れを理解することにより、医療人としての心構えを学びます。
今回の血液浄化療法装置学実習では授業のまとめとして、血液透析装置の点検項目の一つ「バランステスト」を班ごとに行いました。この点検では腎臓機能が低下している患者さんに、体内に溜まった血液中の老廃物や余分な水分の除去を補うために用いるダイアライザに「入る水(透析液)の量」と「出てくる水(透析液)の量」のバランスが基準値内にあるか確認します。バランスが崩れていると患者さんの治療に影響して血圧低下などを引き起こすことがあります。そのため、透析装置の保守点検においてとても大切な技術です。
▼バランステストの様子。緊張感が感じられます。
▼点検の順番が来るまで、透析液を1週間培養した細菌数を観察しました。汚染された透析液を使用すると発熱などさまざまな合併症を引き起こすため、臨床工学技士にとってきれいな水を管理することは大切な業務の1つです。
学内実習の中で実際に自分の手で医療機器を操作することで、医療機器についての理解度を深めることができました。1月からはいよいよ臨床実習が始まります。学内で学んだ医療機器が医療現場でどのように患者をサポートしているか、チーム医療とは何かをしっかり学んでいきましょう!