教員紹介
ACADEMICIAN
松下 誠 MATSUSHITA Makoto
- 医療技術学部 検査技術学科
医療技術学部長・検査技術学科長・教授
- 研究分野
臨床化学・酵素化学・臨床検査医学
- 学位
博士(医学)
大学院
保健科学研究科 保健科学専攻
特別研究指導教員
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博士前期課程
病因・病態検査学領域生体分子情報検査学
酵素検査はそのタンパク量を測定するのではなく、活性値として定量することで標準化がなされてきた経緯があります。しかし、酵素活性はアイソザイムの相違によって変動することから、本来の病態を反映しない異常検査データが出現することがあります。このようなアイソザイムの相違に伴う酵素検査の課題の解明・改善する研究を行います。
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博士後期課程
医療科学領域医療科学特別研究/生体分子
アイソザイムを有する酵素はその活性値とタンパク量との関係を解析することは困難と考えられています。私たちはLDやCKのように異なるサブユニットの組み合わせから成る酵素はそのサブユニット間の相対活性が算出可能であることを明らかにしています。このように、酵素活性とそのタンパク量との関係を解析し、医療に貢献する研究を行います。
研究や大学院進学についての質問・相談などを受付けています。
経歴
学歴
1981年3月 埼玉県立衛生短期大学衛生技術学科卒業
1990年3月 東京理科大学理学部化学科卒業
職歴
1981年4月 昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部臨床化学検査室
1986年5月 埼玉県立衛生短期大学衛生技術学科助手
1993年4月 埼玉県立衛生短期大学衛生技術学科講師
1994年4月 スウェーデンウメオ大学臨床生化学教室研究員 (6か月)
1998年4月 埼玉県立衛生短期大学衛生技術学科助教授
1999年4月 埼玉県立大学短期大学部衛生技術学科准教授
2005年4月 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻教授
2013年4月 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻長
2014年4月 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科博士前期課程教授
2015年4月 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科長
2020年4月 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科博士後期課程教授
2023年4月 群馬パース大学医療技術学部検査技術学科教授・学科長
2023年4月 群馬パース大学大学院保健科学研究科教授
2024年4月 群馬パース大学医療技術学部長
研究内容
臨床化学検査の実践に還元させることを目的に、下記の研究を行っています。
1. タンパク質に特異性の高いニッケル-ビウレット反応の開発と臨床応用に関する研究
2. ABO血液型および分泌型/非分泌型と血清アルカリ性ホスファターゼ活性との関係に関する研究
3. 電気泳動法による小腸型アルカリ性ホスファターゼアイソフォームの分離法の開発に関する研究
4. 色素結合法を用いた血清アルブミン測定法の開発および改良に関する研究
5. 酵素法による新たなリポ蛋白分画法の開発に関する研究
6. 乳酸脱水素酵素のH型およびM型サブユニットの相対反応性の解明およびその臨床評価の確立に関する研究
7. クレアチンキナーゼ(CK)およびCK-MB活性測定における各アイソザイムの反応性の解明に関する研究
研究実績詳細
英文筆頭論文(指導学生筆頭を含)のみ記載
① Iwasaki T, Nakajima K, Hirowatari Y, Matsushita M.: Evaluation of the two-point calibration bromocresol green method, showing reduced deviation from the bromocresol purple method in sera from patients with hypoalbuminemia. Ann Clin Biochem. OnlineFirst April 4. 2023.
➁ Matsushita M, Irino T, Kamiyama K, Muramoto Y, Kawaguchi T, Nakano T, Komoda
T.: Evaluation of a method for measuring tissue non-specific alkaline
phosphatase activity in healthy subjects. Ann Clin Biochem. 44: 544-548. 2007.
③ Matsushita M, Irino T, Kawaguchi T, Komoda T.: The effect of different buffers and amounts of intestinal alkaline phosphatase isoforms on total alkaline phosphatase activity. Clin Chim Acta. 319: 49-55. 2002.
④ Matsushita M, Irino T,Oh-Ie K,Komoda T. : Specific gel electrophoresis method detects two isoforms of human intestinal alkaline phosphatase. Electrophoresis. 21: 281-284. 2000.
⑤ Matsushita M, Irino T,Nakajima T,Stigbrand T, Komoda T. : Changes in intestinal alkaline phosphatase isoforms in healthy subjects bearingthe blood group secretor and non-secretor. Clin Chim Acta.277: 13-24. 1998.
⑥ Matsushita M, Irino T,Minowa,M,Komoda T,Stigbrand T : Properties of high molecular-mass placental alkaline phosphatases in normal pregnancy serum. Ann Clin Biochem. 35: 515-521. 1998.
⑦ Matsushita M, Irino T,Komoda T, Sakagishi Y. : Determination of proteins by a reverse biuret method combined with the copper-bathocuproin chelate reaction. Clin Chim Acta. 216: 103-111. 1993.
⑧ Matsushita M, Irino T.: Stable nickel/biuret reagent for Determination of total proteins in serum. Clin. Chem. News. 18(1): 16. 1992.
⑨ Matsushita M, Irino T,Maehata E.: Enzymatic determination of serum total and esterified cholesterol with the same reagents. Clin Chim Acta. 191:97-100. 1990.
その他
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【主な学会活動】
1. 日本臨床衛生検査技師会
2. 日本臨床化学会 (評議員)
3. 日本医療検査科学会 (評議員、編集委員)
4. 日本電気泳動学会 (評議員)
5. 日本臨床検査医学会
6. 日本臨床検査学教育協議会 (理事、副理事長、事務局長)
7. 生物試料分析科学会
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本人受賞
1. 日本臨床検査学教育協議会感謝状 (学術大会の企画運営) 2020年
2. 第53回小島三郎記念技術賞 (脂質検査、血清総蛋白質測定法、アルカリ性ホスファターゼ・アイソザイム測定法などの各種生化学検査法の改良とその普及) 2018年
3. 日本臨床検査医学会優秀論文賞 (BまたはO型で分泌型の人のアルカリ性ホスファターゼ活性は前夜の脂肪食摂取量によって変動する) 2014年
4. 日本臨床化学会学術賞 (血清アルカリ性ホスファターゼ活性と血液型との関係) 2003年
5. 第39回日本電気泳動学会児玉賞 (小腸型アルカリ性ホスファターゼアイソフォームに関する研究) 2000年
6. 日本臨床衛生検査技師会会長賞 (Pyranose Oxidase
指導学生受賞 (一部抜粋)
1. 第29回日本医療検査科学会論文賞 (LD活性測定におけるH型およびM型サブユニットの反応性の相違に関する検討) 2022年
2. JACLaS Award Ⅱ (免疫阻害法によるCK-MB活性測定の校正法に関する一考察) 2022年
3. JACLaS Award 1 (LD 活性中のH型およびM型サブユニット活性の分別定量) 2022年
4. 第28回日本医療検査科学会論文賞 (酵素法でコレステロールとトリグリセライドの和を染色する全自動リポ蛋白分画法の開発) 2021年
5. JACLaS Award 1 (血清冷蔵保存によるLD4 および LD5 アイソザイムの失活) 2021年
6. 第61回日本臨床化学会年次学術集会奨励賞 (CK およびCK-MB活性測定におけるM型およびB型サブユニットの反応性の相違) 2021年
7. 第27回日本医療検査科学会論文賞 (蛋白標準血清による校正は低アルブミン血症におけるBCG法と改良BCP法の乖離の原因となる) 2020年
8. 第70回日本医学検査学会学術奨励賞優秀発表賞 (BM装置の希釈測定システムを応用したピロガロールレッド法の血清総蛋白測定法) 2020年
9. 日本臨床化学会学会賞 Young Investigator Award (酵素法でコレステロールとトリグリセライドを染色する全自動リポ蛋白分画法の考案) 2018年
10. 第24回日本臨床検査自動化学会論文賞 (蛋白質に特異性の高いニッケル-ビウレット法を用いる血清総蛋白の2-point rate法の考案) 2018年
(その他、合計26件)