安全保障輸出管理
安全保障輸出管理の概要
■ 安全保障輸出管理とは
安全保障輸出管理は、日本の「外国為替及び外国貿易法(外為法)」に基づき、以下の行為を規制・管理する制度です。
・物品の輸出
・技術の海外提供(講義、共同研究、メール送付、クラウドなども含む)
・非居住者への特定技術の提供
・海外出張時の機器・データの持ち出し
・外国人研究者・留学生への指導や技術アクセス
大学が扱う研究分野や研究設備には、軍事転用可能性があるものも含まれるため、対象は理工系に限らず、広範な分野に及びます。
■ なぜ大学で必要なのか
大学では、最先端の研究設備や技術、専門知識を扱うことが多く、これらが不適切に海外へ提供されると、安全保障上の大きなリスクとなります。
・国際共同研究
・外国人留学生・外国人研究者の受入れ
・海外学会・留学・出張
・データ・機器の海外提供
これら日常的な活動が輸出管理に該当する場合があります。
適切な管理を行うことで、研究者自身をリスクから守り、大学の国際的信頼を維持します。
■ 管理が必要となる主なケース
以下に該当する場合は、輸出管理の審査・相談が必要になります。
・研究機器・試薬・測定装置などを海外へ送付する
・論文非公開の研究データを海外研究者へ提供する
・海外出張時に、暗号化装置・研究データ・特定ソフトウェアを持ち出す
・国際共同研究で技術的助言を行う
・特定分野の外国人留学生を研究室に受け入れる
・寄附金・共同研究費を提供する海外企業の実態に懸念がある
該当するか判断が難しい場合は、事前に研究・産学連携推進室へお問い合わせください。
■ 大学における研究活動も規制の対象
安全保障輸出管理では、「貨物の輸出・技術の提供」が対象となります。大学では関係ない規制と思われがちですが、実際には、以下のような研究活動において、技術提供や貨物の輸出の機会があり、規制の対象となる可能性があります。
主な機会(具体例)
留学生・外国の研究者等の受入れ:実験装置の使用、試作、技術情報を電子メールやUSBメモリ、FAXで提供、研究指導、技術指導、会議、打合せ
外国の大学や企業との共同研究:実験装置の貸与、送付・持出し、技術情報を電子メールやUSBメモリ、FAXで提供、会議、打合せ
学術研究を目的とした研究試料などの送付・持出し:サンプル品の送付・持出し、自作の研究機材を携行
外国からの施設見学:研究施設の見学、研究内容の説明、説明資料配布、実験装置の説明
外国出張:国際会議等での発表(口頭・ポスター他)、展示会等での展示、打合せ等
■規制の内容
安全保障輸出管理に関する規制には以下の2種類があり、貨物の輸出や技術の提供を行おうとする相手(国、機関等)により適用される規制が異なります。
リスト規制
輸出しようとする貨物が輸出貿易管理令別表第1の1~15項に該当する場合又は提供しようとする技術が外為令別表1~15項に該当する場合には、経済産業大臣の許可が必要となる制度です。国際的な合意に基づき、武器及び大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれの高い貨物・技術を規制しています。
キャッチオール規制
輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が、リスト規制に該当しない場合でも、定められた要件に該当する場合には、経済産業大臣の許可が必要になります。キャッチオール規制には、大量破壊兵器キャッチオール規制と通常兵器キャッチオール規制とがあります。
①大量破壊兵器キャッチオール規制:
ホワイト国以外の国へ貨物の輸出・技術の提供を行う場合が対象で、その貨物や技術の「需要者」や「用途」からみて大量破壊兵器の開発等に用いられる懸念があるかどうかにより規制されます。
②通常兵器キャッチオール規制:
国連武器禁輸国・地域へ貨物の輸出・技術の提供を行う場合が対象で、その貨物や技術の用途からみて通常兵器の開発等に用いられる懸念があるかどうかにより規制されます。
■ 相談窓口
輸出管理が必要か判断に迷う場合や、共同研究・受入れ・海外出張に関する懸念がある場合は、お気軽にご相談ください。
相談内容は秘密を厳守し、適切に対応いたします。
【安全保障輸出管理相談窓口】
研究・産学連携担当(研究支援部門)
TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
E-mail:exportcontrol●example.ac.jp
※●を@に置き換えてご利用ください。