言語聴覚士
二葉 繭さん
公立藤岡総合病院勤務
言語聴覚士として働いている親戚から話を聞いているうちにこの職業に興味をもちました。そこから言語聴覚士について自分で調べていく中で、さまざまな要因によってコミュニケーションや食事といった日常生活場面において支障が生じた方に対してリハビリテーションをすることに興味をもち、この仕事を目指そうと思いました。
現在は、入院直後の患者様に対して、状態を把握し、他職種と連携しながら評価や機能訓練を行い、患者様やご家族の支援を行っています。特に、発症後間もない患者様は経口摂取ができなかったり、コミュニケーションが取りにくい状態であることが多いです。患者様が安全に楽しく食事が食べられるように食事形態を考えたり、コミュニケーション手段を提案したりしています。
以前、80代脳梗塞の男性患者様を担当したことがありました。患者様の希望は奥様の作った肉じゃがを食べたいということだったため、飲み込みの評価を行い、目標の食事を取れるよう訓練を行いました。退院時には、一口サイズであれば食べられる所まで飲み込みの機能が改善しました。退院後の食事を作る奥様に、どんな形、硬さのものであれば食べることができるかなどの食事指導をし、無事退院となりました。その際に、患者様やご家族から感謝の言葉をいただき、とてもやりがいを感じました。
言語聴覚士は、話すこと、食べることから人の生活を支えるやりがいのある仕事です。リハビリは患者様が何をしたいか、何ができるようになりたいかを目標にリハビリを進めるため、コミュニケーションを取ることが最も大切です。その上で、私が最も大切と考えるコミュニケーション機能に対して専門的にアプローチできることも言語聴覚士の魅力だと思います。医療の世界は日々進化していき、学び続けることが必要なため、大変な仕事だと思いますが、その分患者様の笑顔や感謝に出会えた時の喜びは何事にも変えられません。
医療職として働くことは、人を救う仕事に就くということです。何ができるか、考え続ける必要があります。医療の世界は日々挑戦の連続です。これから、さまざまな困難に直面するかと思います。挑戦をすることが成長への第一歩です。失敗を恐れず、まずは一歩を踏み出してみてください。応援しています。
※2025年取材